五月六日、水曜日。今日も夜明け前に目が覚めた。窓の外は薄青い光に包まれていて、まだ鳥も鳴いていなかった。布団の中でしばらくまどろんでいたが、体が自然に起き上がった。こういう朝が好きだ。世界が静かで、自分だけのためにある時間のような気がする。着替えて外に出ると、空気が冷たく、頬に触れる風がやさしかった。近くの寺の鐘が、遠くからかすかに聞こえた。
哲学の道の朝は特別だ。観光客がまだ眠っている時間、石畳に映る街灯の光を一人で踏みながら歩く。桜はとうに散り、今は青々とした葉が川沿いに続いている。新緑の季節は好きだ。桜の華やかさとは違う、落ち着いた、静かな美しさがある。葉の間から差し込む朝の光が、水面にきらきらと反射していた。鴨川の水は澄んでいて、石の間をさらさらと流れていく。何もしなくても、ただ歩くだけで満たされる気がする。
新緑や