冬の夕暮れ時、新宿の小さな路地裏に佇む鰻屋の暖簾をくぐった。扉を開けた瞬間に広がる、炭火で焼かれた蒲焼の香りに、思わず深呼吸してしまう。甘辛い醤油だれと炭の香ばしさが絶妙に混ざり合い、それだけで空腹感が一気に高まる。
カウンター席に座ると、職人が手際よく鰻を捌く姿が目に入る。包丁が入るたびに、新鮮な鰻の身が艶やかに光る。その身を串に刺し、炭火の上で丁寧に焼き上げていく工程は、まるで芸術作品を創り上げるかのようだ。
待つこと十五分、ついに鰻重が運ばれてきた。蓋を開けた瞬間、湯気とともに立ち上る香りに心が躍る。艶やかな山椒を振りかけ、まずは一口。