朝、市場を歩いていたら、八百屋の軒先に山積みされた新玉ねぎが目に留まった。薄皮が陽光を通して半透明に輝いて、まるで春そのものを閉じ込めたガラス細工のようだった。思わず三つ手に取った。
家に帰って皮を剥くと、刃を入れる前から甘い香りが立ち上ってきた。普通の玉ねぎとは違う、青くてみずみずしい香り。スライスしてそのまま一切れ口に含むと、辛味はほとんどなくて、代わりにシャクシャクとした歯ごたえと、じんわり広がる甘みがあった。
祖母がよく作ってくれた新玉ねぎのサラダを思い出した。かつお節と醤油だけのシンプルなもの。でも今日は少し冒険してみようと思って、オリーブオイルとレモン汁、粗挽き黒胡椒で洋風に仕上げてみることにした。