冬の朝、湯気の立ち上る一杯のお椀から、白味噌の柔らかな香りが部屋いっぱいに広がった。京都の老舗料亭で出会った、この冬限定の「かぶらと白味噌の椀物」は、私の心を一瞬で掴んだ一品だった。
まず目に飛び込んできたのは、真っ白なかぶらの美しい断面。薄く削がれた柚子の皮が、雪の上に舞い落ちた黄金の花びらのように浮かんでいる。器は漆黒の椀で、その対比が料理の繊細さを一層引き立てていた。
箸で持ち上げると、かぶらはトロリと柔らかく崩れそうになる。口に運ぶ前に、柚子の爽やかな香りと白味噌の優しい甘みが鼻をくすぐる。その香りだけで、もう幸せな気持ちになってしまう。